5×20
2019年も、半年が過ぎようとしている。
2020年末までのカウントダウンが、また一歩、進んでいる。
「あと2年」だったのが、気が付いたら「あと1年半」に。
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嵐が、突然の活動休止を発表してから半年。
テレビでいつも通りの彼らを見ている限り、その実感はなかなか感じることのないまま、半年を過ごしてしまった。
でも、ここでまた、残り時間を痛感するタイミングが来た。
「5×20」のリリースである。
本来ならば、20周年のベスト盤だー わーい で済んでいたものも、
今の嵐オタクたちは受け止め方が変わっている。
(もちろん嵐サイドも単なる20周年として作っているわけではないけど!)
だったら、受けてたとうじゃない。
どこまでも泣かされてやるわ。
だから私は、この新譜「5×20」を櫻井担らしく徹底分析してみた。
1.ラップ詞の韻
まずはお得意、ラップの韻の構成を調査した。ラップ解析なので、メロディ部分は割愛する。
もちろん歌詞の内容や意味を見ても泣けること間違いなしなのだが、
ラップ大好き櫻井担としては、この計算しつくされた美しい韻の構成に
もはやうっとりしている。
前作、5×10のオマージュとなっている部分が多いことは、前作を知っている嵐ファンであればおおよそ気付いたであろうが、韻まで前作のオマージュとなっている部分があることにはお気づきだろうか。
これは、5×20同様に5×10も韻を分析し、どの韻が何回出てきたかを集計したものである。(5×10の解析結果については割愛。)イントロのuuen、サビのaioのほかにも、aaやanaeは前作にも登場した韻である。もはや2曲合わせて韻を踏んでいる壮大なスケール感。
さらに特筆すべきは、各韻の登場回数である。
前作では同じ韻が3回程度並んでいることが多かったが、今作では4回以上同じ韻が並んでいる箇所が多い。これは、ショウサクライの語彙力と作詞センスがこの10年間でさらに成長し続けていることを意味しているのではないだろうか。
活動休止まで、活動復活後、今後どれだけの楽曲をリリースしてくれるのか不明だが、今後のサクラップにも大いに期待したい結果となった。
2.キーワード解析
5×20バンド(cf.メイキング)のショウサクライは、気象に関する言葉と旅みたいな言葉を中心に製作したと語っている。
そこで私は、歌詞に登場する主要なワードを抜き出し、それらがどのような意味の言葉で何回使われているかを集計した。
<キーワード分類ルール>
カテゴリ : 対象ワード
「思い出」 : 歌、想い出、笑etc.
「感謝」 : ありがとう、幸せ、kiss、愛etc.
「気象」 : 嵐、雨、星etc.
「時系列」 : 今、明日、未来、あの日etc.
「旅」 : 船、水平線etc.
「ファン」 : きみ、みんなetc.
「メンバー」 : 僕、仲間、5etc.
その集計結果がこちらだ。
「メンバー」と「時系列」のワードが約半数を占めている。
「5×20」というタイトルにふさわしい内訳である。
それに次ぐのが「感謝」「ファン」「思い出」である。
非常に恐縮ながら、嵐の中でファンを大切に思ってもらえてることを実感できる。
そして、これらの主要なテーマを彩っているのが「旅」と「気象」。
「嵐」の名にふさわしく、気象にまつわるキーワードを多く取り入れ、また、悪天候のワードが多い中、時系列が進むにつれてどしゃ降り→雲間→星と、天候が回復していくところにも嵐らしい未来志向、ポジティブシンキングを感じる。
他にも、過去の嵐の楽曲から拝借してきたワードが要所要所にちりばめられた「5×20」。聞けば聞くほど奥が深く、嵐の様々な思いを感じられる名曲である。